【STARDUST: Wish of Witch】輝くアニメーションの星に隠された、あまりにも辛いシステム【感想・評価】

2人の少年少女がいました。
自称”勇者”で元気いっぱいな少女”スター”。その行動に振り回されつつも、彼女を支える幼なじみの青年”ユウ”。そんな2人は旅に出かけ、やがてひとつのギルドに所属します。
ギルドでは、様々な人たちとの衝突や、困難な試練など、たくさんの出来事が2人を待ち受けています。しかし、そんな困難にもめげずに前を向き、その苦難を乗り越えていきます。
そんな冒険を体験していく作品――それが、『STARDUST: Wish of Witch』です。
ゲームシステムは、カードを使った”ストラテジー”と、ターン制バトルの”シミュレーション”が融合したもの——一筋縄ではいかない高難易度なゲーム性にもなっています。
そんな、カードのシナジーと戦略のシミュレーションがどう交差するのか……。
そして、2人が迎える物語の結末とは……。
それでは、『STARDUST: Wish of Witch』のゲームレビューをお届けします。
ホタ概要
| ジャンル | ストラテジー シミュレーションRPG |
|---|---|
| プラットフォーム | Steam |
| 開発元 | Kniv Studio Co., Ltd. |
| 販売元 | Kniv Studio Co., Ltd. |
| 発売日 | 2026年5月29日 |
総評
オススメ度:
個性的なキャラクター達や、繊細なドット絵が織り成すアニメーションは素晴らしい出来栄えで、見ているだけでワクワクできます。BGMも作品の雰囲気と合っており、戦闘を大いに引き立ててくれます。
しかし、システム面の調整が全体的に甘く、ゲームとしての快適さには欠ける印象です。
「街中でのセーブ不可」「コントローラーの最適化不足」「最適化されていないゲームバランス」など、気にかかる点を挙げたらキリがありません。
美しいアニメーションに惹かれて購入したライト層にとっては、難易度が高すぎてクリアが難しく感じてしまう可能性もあります。
『STARDUST: Wish of Witch』の楽しさとは?
繊細なドット絵から繰り出される、光輝くアニメーション
本作の魅力は何といっても、ドット絵が織りなすそのアニメーションにあります。
キャラクター一人一人が鮮明に描かれ、ストーリー中はもちろん戦闘でも華麗に活き活きと動きます。その姿を見ているだけでも、楽しいと思えるほどです。
さらに、そのこだわりはメインキャラクター達だけでなく、敵や街中のモブ達にまで……様々な動きを見ているだけで、心がワクワクもしてきます。
こうした視覚的な見せ方は物語をさらに盛り上げ、極上のゲーム体験をプレイヤーに届けてくれます。








プレイヤーをも笑顔にする、スターの圧倒的な明るさ!
個性的なキャラクター達が登場する本作ですが、その中心にいる主人公でありヒロインのスターは、絶対に欠かせない存在です。 彼女の姿はいつも明るく前向きで、物語を見守るプレイヤーを笑顔にしてくれます。




底抜けの明るさの裏側には、「自分が勇者だから、どんな困難にも立ち向かえる」という強い思いが込められているのです。
そんなスターの生き方を見ていると心が温まり、まるで自分も一緒に冒険しているかのような気持ちになれるはずです。








『STARDUST: Wish of Witch』の問題点
リトライのことを考えていないゲームシステム
本作の一番の問題点となっているのが、「街中」や「クエストの間」で自由なセーブが一切できない点です。
「セーブができないってどういうこと?」と思うかもしれませんが、本作のセーブはクエストを完了したタイミングでのみ、セーブができる仕様となっています。そのため、それ以外の場所でセーブを行うことは不可能です。
先の読めないシミュレーションゲームにおいて、無理だと判断した段階で一度撤退し、再準備をするのはよくあること。しかし本作では、街中でセーブができない仕様のせいで、「タイトル画面の続き」から再開しようとすると、今までの準備や試行錯誤がすべて無駄になってしまいます。
一応、撤退コマンドがあり、撤退すればセーブは可能です。しかし、連戦クエスト1では途中で撤退することが不可能。万が一全滅したり、パーティーの構成を変えようと直前のデータからロードしたりすれば、準備画面であれこれ苦労して整えたものが、すべて文字通りリセットされてしまいます。


なぜ任意セーブを実装しなかったのかは本当に謎ですが、この機能だけは一刻も早くアップデートで改善してほしいと感じるポイントです。
- 街には戻らずに、連続でクエストを行うこと。 ↩︎








『STARDUST: Wish of Witch』の気になる部分
シミュレーションゲームとしての調整不足
グラフィックが眩しく輝く一方で、ゲームシステムは全体的に粗さが目立ち、あまり良い出来とは言えません。
戦略がワンパターンになってしまう
まず本作は、「命中率」や「回避率」という概念がないゲームシステムです。そのため、大抵の攻撃は確実に当たります。にもかかわらず、味方のパーティーにはヒーラーが存在しません。そうなると、自ら積極的に突撃することはほぼ不可能になります。
一応、敵の攻撃を止める「カウンター」というスキルもあります。しかし、「カウンター」は発動コストが必要な上に、使用後はクールダウンも発生するため、連発することはできません。
他にも、敵を引きつけるタンク(盾)キャラは存在しており、そのキャラクターをおとりにすることは可能です。ただ、そうなると結局のところ、毎回タンクを前に出すだけのワンパターンな戦略に陥ってしまい、シミュレーションとしての楽しさが薄れてしまいます。
キャラクターを自由に動かし、自分だけの戦略を組み立てるのがシミュレーションとしての醍醐味ですが、本作はどちらかというと「詰将棋」をしているような感覚に近いかもしれません。
意味のない高低差
一般的なシミュレーションゲームでは、マップの高低差によって戦略が大きく変わってきますが、本作の高低差には強い理不尽さが見られます。それは、「高所にいても攻撃が普通に当たってしまう」という点です。
遠距離攻撃なら高い場所からでも届くのは納得がいきますが、なぜか近距離攻撃までもが、高低差を無視して当たってしまいます。そのため、こちらが遠距離から安全に攻撃したつもりでも、なぜか敵のカウンターを喰らって行動を中断させられる、なんて不条理なことが発生します。




結局のところ、このゲームにおける高低差はただの「飾り」でしかなく、ゲームシステムとしての存在意義はほとんど感じられません。
敵の数だけカウンターが存在する
「戦略がワンパターンになってしまう」の項目で、「カウンターは相手の攻撃を止めることができる」と書きましたが、それは味方だけでなく敵も同じです。そのため、カウンター持ちの敵が多いマップでは、こちらの行動が中断される回数も激増します。
プレイヤー側のパーティーが最大4人であるのに対し、敵は10体〜20体も出現します。そんな数の暴力を前に、全員のカウンターを警戒しながら戦うのは至難の業です。
一応、敵をマナ不足に追い込んだり、あえて一度カウンターを発動させてクールダウンを狙ったりと、防ぐ手立てはあります。しかし、その対策のために1手消費するだけで全体の戦略が大きく狂ってしまう可能性も大いにあり得ます。
カウンターというシステム自体は面白いからこそ、もう少し仕様を練り直し、適切なバランス調整をしてほしかったと感じますね。
他にも様々なやりづらい部分がありますが、挙げたらキリがないのでここまでとしておきます。








戦闘では記載がないバフ・デバフの効果説明
シミュレーションRPGである以上、本作にもステータスを強化・弱体化させる「バフ・デバフ」の概念が存在し、その効果はスキル画面のカード項目に記載されています。しかし、戦闘時においてはその説明が省かれ、実際に発動して味方や敵が受けるまでどなん効果なのか分かりません。




そのため、「カードに書かれているこの効果は、一体どんな意味なんだろう……」と頭を悩ませるプレイヤーは多いはずです。私もその1人です。
戦場を見極め、戦略を立てるためにも、こうした効果の詳細を確認できるヘルプ機能は、絶対に必要だと感じます。








コントローラーの最適化不足
本作はコントローラー操作にも対応していますが、全体的に最適化不足が目立ち、ゲームパッドのままでは操作しづらい場面が多く存在しました。
特に、鍛冶屋でのスクロール移動や項目の切り替え、スキル画面でのスキル入れ替え、そして戦闘中での移動キャンセルなど、コントローラーで操作すると途端にテンポが悪くなるという印象を受けます。
コントローラー対応をするのであるならば、こういったUI(画面操作)の細かい調整はしっかりと作り込んでほしかったところです。
プレイしての個人的な感想
全体的に見て良作ではありますが、UI面の不備やバランス調整の甘さにより、ゲーム体験が損なってしまう作品です。
アニメーションに惹かれて購入した人が多いと思われますが、蓋を開けてみたらシステム面がしっかりと作り込まれていない……そんな印象を受けてしまいます。
グラフィックに力を入れるのは素晴らしいことですが、それ以外の基本部分がおろそかになってしまっては本末転倒。プレイした人が途中でやめてしまっては、元も子もありません。
今はアップデートでゲームを改善できる時代だからこそ、少しずつでも修正を重ねて、より良い作品にしてほしいところです。
特に「任意セーブ」だけは、一刻も早く実装されることを強く願っています。
後、ストーリーは全体的にいい感じではありましたが、シナリオ量に対して少し内容を詰め込みすぎている印象を受けました。特にアストラ教はストーリーにはあまり関わらなかったので、必要性が感じませんでしたね。
終わりに
『STARDUST: Wish of Witch』は、繊細なドット絵のアニメーションを楽しみたい人や、主人公でヒロインのスターの明るい笑顔に癒されたい人にオススメです。
ただ、シミュレーションゲームとしてのシビアな難しさもあるため、このジャンルに慣れていない人にとっては、途中で詰んでしまう可能性もある作品でもあります。











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