【久我山栞の死様手帖】ミステリーよりもサスペンス!?――久我山栞の死を追う物語【感想・評価】

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今回紹介するのは、現実世界で死亡し、名前以外の記憶を失った女子高生の謎を追う『久我山栞の死様手帖』です。

幽霊が見える不思議な力を持った主人公は、ある日、久我山栞が自ら命を絶つシーンを目撃します。突然の出来事に戸惑う主人公でしたが、「記憶を取り戻したい」という彼女の想いに突き動かされ、共に死の謎を探り始めます。

道中で出会う「ギャル子さん」や「司書さん」。2人の助けを借りながら先へ進む二人は、少しずつ核心へと近づいていきます。

果たして、久我山栞の死の真相とは……。

それでは、『久我山栞の死様手帖』のゲームレビューをお届けします。

  • 本記事の一部で、流血表現を含むゲーム画面の画像を使用しています。血の色は変更しておりますが、流血表現が苦手な方はブラウザバックをオススメします。
シア
40本目よ…。
“記憶を取り戻したい”――その願いに、そっと寄り添いたくなるお話ね……。どんな物語が彼女を待ち受けるのかしら。
目次

概要

ジャンルコメディ+ミステリー+ビジュアルノベル
プラットフォームSteam
開発元Laplacian
販売元Laplacian
発売日2026年4月30日
公式サイトリンク

総評

オススメ度:
シナリオ
キャラクター
グラフィック
UI・BGM

キャラクターの魅力やコメディ要素は楽しめたものの、PVから受けた印象に反してコメディ要素自体は少なめでした。

ミステリーというよりは、自ら謎を解くのではなく真実を追っていくシナリオ構成なので、ジャンルとしてはサスペンスに近い印象です。 そのため、PVに期待して購入した人にとっては、期待外れに感じられてしまうかもしれません。

他にも、選択肢の多さ、ボリューム不足、設定の甘さなど、気になる箇所がいくつかありました。

クリアまでにかかる時間は5時間~。

なお、暴力的な表現や恐怖を煽る演出が含まれてもいるので、プレイする際には注意が必要です。

プレイしての個人的な感想

全体的に見て、期待外れな作品でした。

コメディを楽しみに購入したのですが、蓋を開けてみるとそれらの要素は乏しく、全体を通しても心に残るものがありませんでした。

特に、終盤で主人公の正体が明かされるシーンは感動を誘う場面だとは思うのですが、これまでの主人公の発言や行動が、その感動を台無しにしている印象を受けました。

個人的な推測ですが、制作途中で大幅なシナリオ変更があったのかもしれません。PVで使用されている画像が、実際のゲーム内でも、実装されていませんでしたし。

もっとコメディを押し出して、「笑えて、最後には感動できる」ような作品であれば良かったと感じます。

『久我山栞の死様手帖』の楽しさとは?

「死」を笑いにも変えるイラストの魅力

本作は死を題材にしているものの、笑えるイラストがいくつか用意されており、そのシーンは楽しめる内容でした。

ヒロインの栞が地面に埋まってみたり、幽霊なのに車にはねられてみたりと、展開がハチャメチャで思わず笑いがこみ上げてきます。しかも、そこに可愛らしさも兼ね備わっています。

他にも、バッドエンドで昭和のアイドルのようなイラストが出てきたりと、笑いのツボを突いてきます。

こうしたコメディ寄りのイラストがあることでホラーの怖さが和らぎ、恐怖が笑いに変わって、いつの間にかプレイが楽しくなっていました。

シア
死というテーマの隙間に、こんなにも柔らかい笑いが差し込んでくるなんて……。
その軽やかさが、怖さを少しずつほどいてくれるの。

思わず興味を惹かれる!キャラクター達の輝き

ヒロインの栞を含め、作中に登場するキャラクター達には目を奪われるものがありました。

地雷系女子のカシマレイコや、ずっと喋り続けているおばちゃんなど、現実でも見かけそうな人物像でありながら、その強烈な個性に興味をそそられます。

こうしたキャラクター達は、見ているだけでも十分に楽しめる存在だと感じます。

シア
濃すぎる個性が、不思議と愛おしく感じられるのね。
ひとりひとりの存在が、世界の彩りになっているの。

『久我山栞の死様手帖』問題点

スクリーンショットやPVとは程遠いコメディ色の少なさ

スクリーンショットやPVを見てみるとコメディ色が強めに作られており、ミステリーやホラーとしての恐怖よりも、「笑い」を主体にした作品のように見受けられます。

しかし、実際にゲームをプレイしてみると、コメディ要素はそれほど多くなく、PVを見た時ほどの満足感は得られませんでした。

PVとゲーム内容に差があることは、楽しみにしていたプレイヤーにとって、がっかりする大きな要因になってしまいます。

シア
期待を抱いて開いた扉と、その先で待っていた景色が違って見えてしまった。
そのわずかな差が、心の入り方を変えてしまうのね。

幽霊という設定があいまい

幽霊は本来見えない存在であり、人に触れたりすることもできないはずです。しかし、作中では幽霊が草を食べることができたり、体の一部を具現化させたりすることが可能です。

こうなってくると、幽霊という存在の定義がよくわからなくなり、プレイしているユーザーとしても疑問を感じてしまいます。

そうした現象を起こせる特別な設定も語られないため、幽霊としての設定が破綻しているように見受けられました。

久我山栞の死様手帖気になる部分

主人公の選択肢が多すぎる

選択肢は会話パターンを楽しんだり、重要な選択をする時に用いられる手法です。しかし作中の選択肢では、「電話をかける」「椅子に座る」といった細かな行動まで選択肢になっています。

そのため、選択の回数が多くやや手間に感じました。

この行動一つ一つを選択肢にする必要性は感じられず、不要な選択肢が目立つ印象です。

「見せたい選択肢」だけに絞り、物語の邪魔にならないようにしてくれると、ありがたかったです。

シア
余計な行動の選択肢が、物語の歩みを少し止めてしまうの。
小さな手間が積み重なると、心の流れも途切れてしまうのね。

サスペンスが増していくシナリオ

ネタバレ注意

ジャンルとしてミステリーとうたってはいるものの、シナリオを進めていくとヒロインが急に記憶を取り戻したり、突然「犯人を知っている」と言い出したりと、自ら考えるよりも物語の進行に合わせて話が進む印象です。

そのため、謎解きよりも展開の勢いで話が進み、ややサスペンスに近い内容となっています。

特にサスペンスだと感じたのは、終盤で栞を殺した犯人と対面するシーン。 栞が刺される描写や、彼女の放つ「復讐してやる」という言葉には、正直なところミステリー性よりもサスペンス性が感じられます。

こうした理由から、本作は謎を解く面白さよりも緊張感の方が勝っており、サスペンスというジャンルの方がしっくりくると感じられます。

ミステリーであるならば、プレイヤーに考えさせる手法を取り入れた方がいいですね。

シア
ミステリーを開いたつもりが、サスペンスの扉だったのね。
読み手の心構えが少しずれると、楽しさも形を変えてしまうの。

終わりに

『久我山栞の死様手帖』は、謎を解く「ミステリー」よりも、物語の緊張感や勢いを楽しむ「サスペンス」を求めている人にオススメの作品です。

コメディとして期待しすぎると、がっかりしてしまう可能性もあるため、その点には注意が必要な作品だと言えます。

シア
期待していた色とは、少し違う形だったわ。
それでも、出会えたキャラクター達は、心のどこかに輝きとして残っているの。
蛍火
ではまた。
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