【アクアリウムは踊らない】謎めいた世界で生きようとする思い――少女スーズの不思議な体験物語【評価・感想】

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今回取り上げるのは、ボイスや追加ストーリーが実装され、さらにパワーアップした 『アクアリウムは踊らない -Special Edition-』 です。

簡単なあらすじ
プレミアムチケットを手にした主人公・スーズが水族館を訪れ、迷子になったルルを探して館内を駆け巡るうちに、不思議な別世界へと迷い込んでしまう。そこで謎の少女・クエロと出会い、怪物となった魚に追われながらも、少しずつこの世界に隠された真相へと近づいていく――そんな物語です。

それでは、『アクアリウムは踊らない』のゲームレビューをお届けしていきます。

※補足:Another storyの内容はネタバレ禁止のため、本レビューでは扱っておりません。ご了承ください。

ホタ
13本目!水族館で迷い込む別世界――幻想的でちょっぴり怖そう!
目次

概要

ジャンルホラーアドベンチャー
プラットフォームNintendo Switch
Steam
開発元橙々
販売元Frontier Works Inc.
発売日2025年8月1日
公式リンクhttps://www.fwinc.co.jp/aqua-dance/

総評

オススメ度:

グラフィックや世界観、シナリオ、BGMと、どれも非常に完成度の高い内容でした。ホラー要素も程よい塩梅で取り入れられており、過度に怖すぎることはなく、安心してプレイできる仕上がりです。

追加ボイスも実装され、豪華声優陣による演技が世界観をさらに盛り上げています。

一方で、懸念点としてはゲームオーバー時のプレイヤーへの配慮がやや薄い点や、操作が若干求められる場面がある点が挙げられます。

それでも、全体としては作品の雰囲気と演出が見事に噛み合っており、最後まで引き込まれる体験ができました。

「アクアリウムは踊らない」のここが良い

アクアリウムの世界観と個性豊かなキャラクターたち

『アクアリウムは踊らない』で一番惹かれたのは、別次元のような世界観と、そこで生きるキャラクターたちです。

普通のアクアリウムとは違い、ホラーテイストの漂う不思議な世界ではありますが、それとは裏腹に“楽しさ”“魅力”もたくさん詰まっています。バーに集う住人たち、まるでアクアリウムとは思えない駅、そして水中の鮮やかさ。どの空間にも独自の存在感があり、見ているだけで心を引き込まれました。

もちろん、アクアリウムとしての“海の生物たちの展示”も健在です。

さまざまな場所で、さまざまなキャラクターたちに出会えることこそが、『アクアリウムは踊らない』の大きな魅力のひとつだと感じました。

ホタ
幻想的なのに、ちゃんと“生きてる”世界って感じだね!
不思議でちょっぴり怖いのに、登場するみんなが輝いてて――心が惹かれちゃう

惹きつけられる美しいイラストとストーリー性

二つ目の魅力は、美しいイラストが紡ぎ出すストーリー性です。

主人公・スーズは「ルル」を探して、別世界と迷い込みます。そこで出会うクロエという少女が、この物語の大きな鍵を握る存在となっています。

最初は何も話してくれず、心を閉ざしている彼女ですが、ストーリーが進むにつれて少しずつ心を開き、スーズ自身の過去やこの世界の成り立ちにも触れていきます。その過程が丁寧に、そして美しく描かれていると感じました。

また、「館長の妻」と名乗るクリスや、謎の少女キティの存在にも注目です。

ホタ
絵の一枚一枚が物語を語ってるみたいで、本当にきれいだね。
見てるだけで、心の奥がじんわりあたたかくなるよ。

音にもこだわりを感じるSEとBGM

そして、音やBGMにもアクアリウムらしい演出が施されています。

SEには水中を連想させるような演出が施されており、水の中にいるような臨場感を感じられます、BGMもゆったりとした曲調が多く、世界観との調和がとても美しく感じられます。

まるで自分がアクアリウムの中にいるかのような没入感があり、音によって作品の魅力がさらに引き立っていました。

ホタ
音がね、世界に溶けていくみたいなんだ。
水の音とBGMがゆっくり混ざって、ほんとにアクアリウムの中にいるみたい。
聴いてると、心がふわっと水の中に溶けていくようで、穏やかな気持ちになるんだ。

「アクアリウムは踊らない」のここが気になる

謎解きやアクション面でのゲームオーバー

個人的にやりづらさを感じたのは、謎解きやアクション面でゲームオーバーになりやすい点でした。

とある謎解きでは、解いている最中に足元の穴に落ちてゲームオーバー。逃走シーンでは、わずか一コマでも足を踏み外すとゲームオーバー。こうした部分は、少しストレスを感じる要因になっていたと思います。

穴があるので落ちやすい……
入力しすぎると落ちる……

特に2D視点では移動が直線的になるため、小さな操作ミスが命取りになりやすい印象です。こういった場面では、もう少し移動マスに余裕があると、プレイヤーに優しい設計になるのではと感じました。

ホタ
きれいな世界なのに、ちょっとシビアなところもあるんだね。
もう少し余裕があったら、プレイしやすかったと思うよ。

スクリーンショットが取れない

これは自分の環境だけかもしれませんが、Steam版でプレイした際にスクリーンショットが撮影できない現象が発生しました。他の作品では問題なく撮影できていたため、設定ミスではないと思われます。

今回はWindowsの標準機能でスクリーンショットを撮影しましたが、記録しておきたい場面もあったため、もし今後修正が可能であれば、対応していただけるとありがたいと感じました。

※追記:どうやらスクリーンショットに対応していない作品がけっこう多いみたいです。この作品も非対応なのかな、と思います。

トゥルールートを達成しないと、追加要素は解放されない

今回の魅力のひとつでもある Another Storyは、トゥルーエンド(ED1)を達成しないと解放されない仕様でした。それ自体は問題ではありませんが、ED1に到達するには特定のフラグを踏む必要があり、条件を満たさないと到達できない仕組みになっています。

そのため、セーブのタイミングを誤ると最初からやり直す必要性があります。

仕方のない部分ではありますが、もし可能であれば、一度クリアした後はED1直前から再開できるような救済措置があると嬉しいと感じました。

この部分でセーブしておけば取り逃しても問題ない

個人的な感想

全体的に見て、良作でした。
RPGツクールで制作されている作品ながら、丁寧に作り込まれており、作者の温かみを強く感じました

そして何より、『アクアリウムは踊らない』を8年という長い年月をかけて、諦めることなく一人で完成させたという点には、本当に心を打たれました。

その情熱と粘り強さには、同じくゲームブログを続ける者として深い尊敬の念を抱きます。自分もこの活動を続けていく上で、改めて気を引き締めようと思いました。

個人的にお気に入りのシーンは、頭にヤドカリを乗せている所。可愛さを感じました。

終わりに

『アクアリウムは踊らない』は、不思議な世界観を味わいたい方や、短編アドベンチャーを楽しみたい方におすすめの作品です。

ホタ
幻想的で優しい世界だったね。
作り手の想いが伝わってきて、心がそっとあたたかくなったよ。
蛍火
ではまた。
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