【My Little Puppy】ポングと共に歩く“パパを探す旅”──明るさと辛さを体験する物語【評価・感想】

今回取り上げるのは、天国で幸せに暮らしていたコーギー・ポングが、パパを迎えに行くために旅へ出る物語──『My Little Puppy(マイリトルパピー)』です。
犬の天国で平和に暮らしていたコーギーのポング。その姿はいつも一生懸命でした。
そんなある日、下の世界から“どこか懐かしい匂い”がふわりと漂ってきます。その匂いを追いかけ、ポングは天国の外へと一歩を踏み出します。
しかし、その旅路は決して優しいものではありません。
いくつもの苦難が立ちはだかり、時にはポング自身が危うい場面も訪れます。それでもポングは、ただひたむきに前へ進んでいきます。
ただ、パパとの再会を信じて……。
果たしてポングはパパと再会できるのか――そんな“心に寄り添う旅”を描いた作品です。
それでは、『My Little Puppy(マイリトルパピー)』のゲームレビューをお届けしていきます。
本作品は「死」を題材にした物語です。そのため、レビュー内容によって、心が揺れる場面があるかもしれません。
心が弱い人、鬱的な症状がある人はブラウザバック推奨です。
※なお、本レビューを読んで感じた心身の変化については、責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
シア旅はきっと心細い……それでも前に進めるのは、あの人が先で待っているから。
そう思うの。
概要
| ジャンル | アクションアドベンチャー |
|---|---|
| プラットフォーム | Steam |
| 開発元 | Dreamotion Inc. |
| 販売元 | KRAFTON, Inc. |
| 発売日 | 2025年11月7日 |
総評
| こんな人が対象 | オススメ度 |
|---|---|
| ・犬好き ・どんな苦しさも共に歩める | |
| ・作業感を味わいたくない ・アクションが苦手 ・犬のつらい描写を見たくない |
犬の可愛さや感動的なストーリーは良かったです。しかし、アクション面やテンポの悪さが全体の完成度をやや下げており、プレイ中に没入感を損なう場面も見受けられました。
物語としては犬との絆を丁寧に描こうとする姿勢が感じられるため、「犬と最後まで向き合える人」にとっては心に残る作品なります。
一方で、犬の痛々しい描写が苦手な方には、少し重く感じるかもしれません。
『My Little Puppy』の楽しさとは?
多彩な犬たちとの触れ合いが生む、やさしい癒やしの時間
『マイリトルパピー』では、さまざまな犬種に出会うことができます。
チワワ、ハスキー、ドーベルマン、ボーダーコリー……その種類は本当に多種多様で、思わず目を奪われてしまうほど。




そんな可愛い犬たちとポングは、時には一緒に冒険し、時には敵対することもあります。様々な姿に触れ、思わず見とれていると、犬たちのかわいさに引き込まれて、 “うっとり” してしまうはずです。
特に印象的だったのは、3匹の犬が一斉におねだりしてくるシーン。仕草や表情が本当に可愛らしくて、思わず笑顔になってしまいました。


本作を進めていくことで、リアルに描かれた犬たちの魅力に惹かれていく……物語を終えたあとには、きっと心を奪われているでしょう。









素直な可愛さが、人の心をこんなにもやわらかくしてしまうのね。
パパの姿を待ち続ける、ポングの純粋な想い
冒険を進めていると、ふとポングが生きていた頃の記憶がよみがえります。
引き取られたときの喜びや一緒に散歩したときの楽しさ――その光景を見ていると、こちらまで胸が熱くなってしまいます。




ポングの思いはいつでもまっすぐで純粋。その純粋さに触れていると、犬ってこんなにも人を想ってくれるんだな、と感じさせてもくれます。
物語を進めていくほどに、その想いの深さに胸を打たれ、涙腺崩壊してもおかしくありません。









あの小さな体に詰まっているのは、寂しさよりも“愛する力”なのよね。
3Dグラフィックだけでなく、2Dイラストからも伝わる温かみ
『マイリトルパピー』では、2Dイラストが時折表示されます。
そのコミカルなイラストは、物語に登場するキャラクターたちの温かさを引き上げ、作品全体をより柔らかい雰囲気へと包み込んでくれます。


こうしたイラストが加わることで、物語の空気がより豊かになり、犬たちの魅力もいっそう引き立てているのでしょう。









コミカルなのに温度があって、世界をやさしく包んでいたわ。
プレイして感じた『My Little Puppy』の問題点
不快になる一部のシナリオ
※再度、注意
本項目には重い内容が含まれます。
アコーディオンで非表示にしていますが、閲覧される方は自己判断でご覧ください。
本作は死をテーマにしているため、どうしても全体的に暗い印象の場面が登場します。その中でも特に印象的だったのが、上司の命令で犬たちの殺処分を行った職員が、心身ともに疲れ果てて亡くなり、天国で穏やかに暮らすシーンです。


物語上、このような描写が登場すること自体は理解できます。しかし問題なのは、その職員が「死によってすべての苦しみから解放された」ように描かれている点でした。


この表現は、プレイヤーによっては「死んだほうが楽になる」という誤った印象を与えてしまう可能性があります。
ゲームという表現媒体ではどんなテーマも描けます。だからこそシーンだけは、受け手の心への影響を意識した配慮がもう少し必要だったと感じました。
また、コーギーのボングが命の危機に瀕する場面もあり、心の弱い方や動物の苦しみに敏感な方には本当におすすめができません。











悲しみを描くこと自体は間違いじゃないけれど、そこに誰かの心が寄り添っていてほしい。
ユーザーが楽しくプレイできない構図
序盤は探索しながら楽しくプレイできましたが、違和感を覚え始めたのは雪山のステージ以降。
落ちやすい氷の上での移動、吹雪で前に進むのに苦戦する雪山、チェイスやステルス要素の多さなど、アクションが苦手な人にとっては負担が大きい場面が多々見受けられます。




ストレスが続くと楽しさよりも辛さが勝ち、プレイを続ける気力を削いでしまうため、バランス調整がもう少し必要に感じました。
序盤の草むらを駆け巡るアクションが、いちばん楽しく感じられる場面だったと本当に思います。


『My Little Puppy』の気になる部分
全体的な自由度の低さ
ミニゲームやQTEが多く、アクションとしての自由度はやや低く感じられます。QTE自体はアクションが苦手な人への配慮として良い試みですが、多用されすぎると逆にテンポや楽しさを損なってしまう場面もありました。


ミニゲームも犬との一体感を感じられる内容なら魅力的だったものの、アクションの腕前を求めれることも多かったので、結果的にストレスを感じる場面が目立ちました。


プレイヤーがより楽しめるように、ミニゲームとアクションのバランスをもう少し整えてほしかったです。
あと、なんとこの作品、ダッシュ中は匂いがかげません。正直、犬としてそれはどうなんでしょうね……と思いました。
ボングよりも目立つ人間
最初はポングを中心に物語が進んでいましたが、途中からは見知らぬ女性の話が主軸になります。
彼女は天国の飼育員のような存在として描かれていますが、ポングよりも目立つ場面が多く、少し違和感を覚えました。


敵対するドーベルマンの存在を描くために必要な描写なのかもしれませんが、この作品ではポングが主役なので、そこまで前に出す必要性はなかったように感じます。
分かりづらい“天国への道”と作品とは噛み合わない小ネタ
この作品は死後の世界を舞台にしていますが、描かれる天国の道には少し違和感を覚えました。
まず、生きているような熊が突然現れてポングを襲ってくる点。
なぜその熊が存在しているのか、そしてなぜポングを襲うのか――その理由が描かれておらず、少し理解しづらく感じます。
さらに、正体不明の生物が犬たちを襲う理由も明確に示されておらず、物語として不透明な部分が残ります。


文字のないイラストで語る作品という構成上、雰囲気で察してほしい意図なのかもしれませんが、個人的には意味をつかみきれませんでした。
また、「竜巻旋風脚」や「昇竜拳」といった小ネタ的な要素は世界観にはそぐわず、没入を妨げていたように感じます。
こうした演出を面白いと感じる人もいるかもしれませんが、全体としては好みが分かれる要素だと思います。











でも、もう少し意味や背景に説明があれば、受け取る側も迷わず感じられたかもしれない。
『My Little Puppy』への個人的な考え
この作品は、プレイヤーにも辛い体験をしてもらい、共に乗り越えていくことを意図した作品だと感じました。そのため、テンポの悪さや体験性の乏しさも、あえて辛さとして描かれているのかもしれません。
そして最後には、「やってよかった」と思わせたい――そんな狙いを感じました。
ただ、プレイヤーの体験としてはやや不安定で、十分に活かしきれていない印象もあります。









つらさの中で何を感じるか――そこにこそ、制作者が伝えたかったものがある気がするの。
プレイしての個人的な感想
全体的に見てがっかりする部分が多く、ストレスを感じる場面がある作品でした。
犬たちの可愛さやポングの思いには共感できる部分が多いものの、アクションとしての“楽しさ”はあまり感じられないのが正直な思いです。
PVを見たときは、「コーギーのポングと一緒に冒険できるんだ」というワクワク感があり、その期待が大きかった分、実際のゲームプレイとのギャップがどうしても残念に感じてしまいました。
ポングがもっと自由に駆け回り、最後にパパの元へ辿り着くような展開だったら、きっともっと心に残る作品になったと思います。
終わりに
『My Little Puppy(マイリトルパピー)』は、犬が必死に進む姿に心を重ねられる人におすすめです。
一方で、自由度がほとんどなく、作業感が苦手な人やアクションが得意でない人にはあまり向かないかもしれません。









だからこそ、この世界を少しだけ愛しく思ってしまうの。

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