【電気街の喫茶店】電気街の雰囲気を味わえるメイド喫茶経営──その中で感じた魅力と不便さ【評価・感想】

今回紹介するのは、ブラック企業を辞めた主人公が、ひょんなことからメイド喫茶『ふわふわ』の店長として働くことになる――経営アドベンチャー作品『電気街の喫茶店』です。
舞台は大阪・日本橋の電気街。
行ったことのある人なら、思わず似たような雰囲気を思い出させてくれる街並みが広がっています。
その一角にあるのがメイド喫茶『ふわふわ』。この店舗で人との交流をしながらメイド喫茶を経営していきます。
そんな喫茶店で、主人公はどんな出会いをし、どんな物語を紡ぐことになるのでしょうか……。
それでは、『電気街の喫茶店』のゲームレビューをお届けします。
ホタ概要
| ジャンル | 経営+アドベンチャー |
|---|---|
| プラットフォーム | Steam Switch |
| 開発元 | Adventurer’s Tavern |
| 販売元 | PLAYISM |
| 発売日 | 2024年11月18日(初リリース日) |
総評
オススメ度:
ドット絵で描かれた日本橋の街並みや、個性豊かなキャラクターたち、そして耳に心地よいBGM――こうした表現面はとてもよくできています。
ただその一方で、ゲームシステムの単調さやUI表示の不足によるテンポの悪さといった部分がやや目立ちます。
本作は公式ではADVとして紹介されていますが、シミュレーション要素も含まれています。そこまでシミュレーション色が強いわけではありませんが、ストーリー進行上で一定額の資金を集めないと“経営失敗となりゲームオーバー”になるイベントがあります。
そして何よりも、ゲームオーバーになった際に救済措置もないため、物語を最後まで楽しむことが難しくもなります。
もちろん、経営をしっかり強化して進めていけばクリア自体は可能でしょう。
しかし、ADVとして会話や物語に意識を向けすぎると、途中で詰まりやすい作品でもあります。
『電気街の喫茶店』の楽しさとは?
電気街の街並みをドット絵で味わる
この電気街には、さまざまな店舗が並んでいます。
人気の高いメイド喫茶や、どこかで見たことのあるハンバーガー店。街中のあらゆる店や看板、置かれている物まで――丁寧なドット絵で表現されています。その繊細さは、店内の装飾やフィギュアといった細かな部分にまで描かれています。




ドット絵そのもののクオリティは、突出して高いわけではありません。……ですが、随所に“こだわり”が感じられました。
また、ソフマップや兎月屋書店といったコラボ店舗も登場しており、探索していくことでさまざまな街並みを楽しめます。


日本橋に行ったことがない人でも、日本橋らしい雰囲気を十分に感じられる作品でしょう。







モブまで印象的に描かれたキャラクターたち
この電気街には、個性豊かな住人たちが多く存在しています。
どこかで見たような豆腐屋の住人、いつも看板を持ち歩いている看板娘、そして頭に猫を乗せている花屋の店員など……。見ていて飽きないモブキャラクターが多めです。




さらに、ショップ店員などにも専用のグラフィックが用意されているという徹底ぶり。キャラクターたちへの“愛”が強く感じられます。
もちろん、ヒロインたちも個性豊かで魅力的。どのヒロインと交流して、どんな想いを育んでいくのか……つい迷ってしまいます。




個人的に印象的だったのは、魚屋の看板娘が魚を叩きつけていたシーン。かなりアグレッシブで、思わず目を奪われました。







随所にちりばめられた電気街の“音”
電気街の“音”にも注目です。
ストーリー中に流れるBGMは、どれも聞いていて心地よく、クラリネットや木琴、ピアノ、ドラムなど――さまざまな楽器の音色を楽しむことができます。
店舗ごとに店内BGMも実装されており、街を移動しているだけでもプレイヤーを飽きさせない工夫が感じられました。
いろいろな音に触れることで、電気街という街の雰囲気をより深く体験できるでしょう。







『電気街の喫茶店』の気になる部分
ロード時間の長さが少し気になる
『電気街の喫茶店』を何度も起動していると、ゲーム開始時のロード時間が気になるようになってきます。
その時間は、なんと約30秒──。
そのため、プレイを始めようとするたびに少し待たされてしまい、「早く遊びたいのに始められない」というもどかしさが残ります。
このロードの長さは、おそらくゲーム内の読み込みを減らすために、必要なデータを起動時にまとめて読み込んでいるのではないかと思われます。
そして、今後発売されるSwitch版でのロード時間がどうなるのか気になるところ。PC版でもこれだけ時間がかかったことを考えると、Switch版では1分近くになる可能性もあるかもしれません。
単調さが気になる経営パートとゲームオーバー
本作はADVとして“扱われています”が、実際には経営シミュレーション+アドベンチャー 作品です。
喫茶店を運営してお金を稼ぐ“経営パート”が存在しており、プレイヤーは物語とあわせて経営もこなさなければなりません。そして何より、この経営パートが単調気味でやや飽きを感じさせる作りになっています。
ゲームシステム自体は、
お客の注文を取り → 料理を運び → 会計する
という、とてもシンプルなもの。
しかし毎回ほとんど変化がないため、繰り返しが続くとプレイヤーは飽きやすく、経営パートを放置してしまうこともあるでしょう。
メイドたちは自動で動作してくれるものの、お客が増えるほど対応に追われ、思うように動いてくれない場面も多く感じました。


そして何より問題に感じたのが、適当に経営しているとゲームオーバーに直結してしまう可能性があるという点です。
シナリオ中盤には「一定金額を稼がないといけない場面」もあり、そこを乗り越えられないとゲームオーバーとなり、物語は終了してしまいます。
救済措置も用意されていないため、今まで進めてきたプレイヤーにとっては、非常に辛い展開になりかねません。
ADVとして物語体験を重視している作品である以上、経営パートによるゲームオーバー仕様は、体験を損ねてしまう要素だと感じました。







エリア移動がスムーズに行えない不便さ
電気街を移動してイベントを進めたり行動したりしていると、少し不便に感じる部分が見えてきます。
それは、エリア移動をした直後に“エリア移動の表示”が出ず、キャラクターを少し動かさないと再度移動ポイントが表示されない点です。この仕様のため、プレイ中にややストレスを感じることがありました。
また、自宅から控室へ直接移動できない部分や複数の移動先が同じ位置に重なっている場合には、少し動かさないと別エリアへ移動できないなどといった、移動のしづらさが全体的に目立つ印象でもあります。


エリア移動の表示は“移動直後でも”出るようにし、複数の移動先がある場合には移動ポイントを分けるなどして明確にしてもらえると、より快適に遊べると感じました。
プレイしての個人的な感想
全体的に見て、キャラクターへの強い愛情は伝わってくるものの、ゲームシステムまわりの不便さがやや目立つ作品でした。
ストーリーは「メイド喫茶の店長になって店を盛り上げる」という内容ではありますが、正直なところ、メイド喫茶でなくても成立する物語だと感じます。
おそらく“電気街=オタク=メイド喫茶”という構図から、メイドをテーマにしたのではないかと推測しています。
また、エリア移動の面倒くささはやはり目立ちました。
「自室 → 店内 → 控室」の流れはテンポが悪く、複数の移動先が重なって表示される仕様も相まって、移動面ではややストレスを感じましすね。
それでも、さまざまなキャラクターたちの豊かな表情や街中で見られる細かな演出には魅力があり、全体的には楽しめた作品だったと思います。
よりゲームを楽しむために
『電気街の喫茶店』はバックを開いたり、携帯を開いたりといった操作が多くなりやすいため、パソコンでの操作は辛く、コントローラーでプレイするのが特におすすめです。
もし興味があって、まだコントローラーをお持ちでない場合は、購入を検討してみても良いと思います。
とくに、任天堂純正の「Nintendo Switch Proコントローラー」はSwitchだけでなくSteamでも使用可能で、使いやすさや操作感の良さで高い評価を受けています。一つの選択肢として紹介しておきます。
終わりに
『電気街の喫茶店』は、女の子達と一緒に物語を楽しみたい人にはおすすめの作品です。
ただ、経営パートが単調の為、同じことを繰り返すことになれていない人には少し向かないかもしれません。
そんな、本作のswitch版が2026年2月26日発売にします。興味はあるけれどPCを持っていない、という方でもSwitch版で気軽にプレイできるようになります。








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